アートカフェめぐり

「創造界隈」周辺の特色ある街を紹介しながら、注目したい話題のスポットをレポート。ユニークな視点で横浜の創造活動拠点に関する情報を提供している「Yokohama Creative Map(YCM)」がご案内します。

Vol.15 横浜の歴史と懐深さを感じるカフェ

まだまだ寒さが続きますが、暖かな陽の光に新しい季節の到来を感じます。みなさまなどんな日々をお過ごしでしょうか? 今回のアートCaféめぐりでは、横浜ならではの歴史あるカフェや喫茶店、個性的なオーナーのいらっしゃるカフェをご紹介します。

 

キャラバンコーヒー元町店

1928年、馬車道にオープンした輸入商品を扱うミカドヤ商店がキャラバンコーヒーの前身です。バターやオリーブオイル、チョコレートなどを扱い、顧客の8割が外国人であったそうです。その後、1971年にミカドヤ商店で扱っていたコーヒーブランドを商号としたキャラバンコーヒー株式会社となりました。現在元町で営業を続けるカフェはこの歴史あるキャラバンコーヒーの中でも最も古い店舗なのだそうです。

元町商店街の一画で、風景にとけ込むように佇んでいます。
元町商店街の一画で、風景にとけ込むように佇んでいます。
地元のマダム達がお茶を楽しんでいる様子がまるでパリで日常的に使われているカフェそのままのような雰囲気。
地元のマダム達がお茶を楽しんでいる様子がまるでパリで日常的に使われているカフェそのままのような雰囲気。

 

80年代に改装を施された状態を保っているという店内は、どこかモダンで落ち着いた雰囲気です。地元で長く愛されるお店だけあって、何十年かぶりに訪ねて来るお客様もいるのだとか。そんなお客様から「変わらないわね」という言葉がでるのだそう。

職人の手により改装された、当時の面影を残す店内。カウンターの曲線や壁の造作が美しい。
職人の手により改装された、当時の面影を残す店内。カウンターの曲線や壁の造作が美しい。

 

店長の伏見さんは「変えてしまうことで知らぬ間にここの良さが無くなってしまうかもしれない。なるべく変えないでいることを大切にしています。私の生まれる前からある店ですから。」と話してくださいました。

 

スペシャルコーヒーは550円、長居をされる方のためにコーヒーのおかわりを250円で提供してくれる。
スペシャルコーヒーは550円、長居をされる方のためにコーヒーのおかわりを250円で提供してくれる。

キャラバンコーヒーは、中〜浅煎りで香り豊かな飲みやすいコーヒーを出すことが特徴で、オリジナルの「元町ブレンド」も苦みを押さえた芳しいお味でした。

この元町ブレンド、いわゆる「農園もの」と言われる、ニカラグアのシグリ農園の豆とパプアニューギニアのカサブランカ農園の豆をブレンドしたものなのだとか。美味しいわけです!

 

アフォガードはイタリアのデザート。650円。
アフォガードはイタリアのデザート。650円。

少し甘いものが食べたいという方におすすめしたいのがアフォガード。
バニラのアイスクリームにキャラバンコーヒーの豆を7種ブレンドしたエスプレッソをかけていただきます。甘いアイスクリームにほろ苦いエスプレッソのコンビネーションが至福!

他にも常連さんにはトーストやサンドイッチが人気。同じく元町の老舗であるウチキパンの食パンを使用した元町コラボメニューなのだそうです。

 

 

純喫茶モデル

オープンして半世紀ほど経とうとしている純喫茶モデルには、ゆったりとした時間が流れています。オーナーのゆきえママが伊勢佐木町の方で小さなお店を持っていたころ、現在のお店のビルオーナーさんから「新しくビルを建てるから入りませんか?」と誘われてオープンさせたお店なのだそう。オープン当時(48年前)、店の前は原っぱだったんだそうです!

JR石川町駅北口を出てすぐの黄色いテントが目印。入口はこんな階段です。
JR石川町駅北口を出てすぐの黄色いテントが目印。入口はこんな階段です。

 

掃除の行き届いた店内は開店当時のまま。映画やドラマで昭和のシーンを撮影する際に使われることもあるのだとか。レトロモダンな店内には、外を眺めながらのんびりとコーヒーを楽しんで行く方や、ちょっとおしゃべりに寄った地元の方が入れ替わり立ち代わりいらっしゃいます。

レンガ作りの店内は落ち着いたトーンでつい長居してしまいそう。
レンガ作りの店内は落ち着いたトーンでつい長居してしまいそう。

 

厨房で腕をふるってくださるのはゆきえママの息子さんで洋画家のしらいたくさんです。店の2階にアトリエを持っていらっしゃるのだとか。店内にもいくつか絵画を置いていらっしゃいました。

風景画の優しいタッチにお人柄を感じます。
風景画の優しいタッチにお人柄を感じます。

 

しらいたくさんの作ってくださったナポリタンは、絵画の雰囲気と似た上品なお味。下町庶民派のナポリタンとはちょっと違う、パルメザンチーズやタバスコで食べる方の好みピッタリのお味になるようにと計算されているようなナポリタンでした。

細めのパスタの上品なナポリタン。お野菜がほろっとした苦みで食が進みます
細めのパスタの上品なナポリタン。お野菜がほろっとした苦みで食が進みます

 

ゆきえママは、「お店をやっていると面白いのよ。いろいろな人が来るの。」といたずらっ子のように笑います。ゆきえママは常連さんたちのアイドルで、お話をするといい事があると、バレエの舞台前のお子さんや調停前の弁護士さんまで、いろいろな方が訪ねてくるのだそうです。朗らかな笑顔にパワーをもらえます!

 

 

まったり屋

マッサージ屋さんかしらん? と思ってしまう屋号の、本当にまったりとすることのできるカフェがまったり屋です。靴を脱いでお店にあがると、座り心地のよいソファーや椅子と、たくさんのマンガや書籍が置かれています。

マンガや本が好きな友達の家を訪ねたような感覚にさせてくれる、のんびりとした時間が流れる空間。
マンガや本が好きな友達の家を訪ねたような感覚にさせてくれる、のんびりとした時間が流れる空間。

 

店主の中野さんは「慌ただしい日々の中で、1人で静かな時間を過ごしたくなった時に来て欲しい。」と言います。

キャプションずらりと並ぶマンガ本からお気に入りのものを手に取ってみて。壁には常連さんが制作したZINEもかけてありました。
キャプションずらりと並ぶマンガ本からお気に入りのものを手に取ってみて。壁には常連さんが制作したZINEもかけてありました。

 

お客様が充実した1人時間を過ごすことができるようと、いろいろな所に小さな心使いを感じます。コーヒーはたっぷりとしたマグカップにいれてくれますし、寒い日に足が冷えないようにとブランケットを用意してくれていたり、頼めば小さな湯たんぽも貸してくださいます。小腹がすいた時には、ホットケーキやカレーもあります。お酒を飲みながら本を読みたいという方のために、アルコールも。

目玉焼きやお野菜で彩り鮮やかなカレー。マイルドな味なので、辛いものが苦手という方でも。
目玉焼きやお野菜で彩り鮮やかなカレー。マイルドな味なので、辛いものが苦手という方でも。

 

誰にも邪魔されず、好きなだけ読書をすることができるなんて、なんとも贅沢な時間の過ごし方。店主が本当に良いと思うスタイルを少しずつ形にして、現在のお店のあり方に落ち着いているようです。

 

店主の中野さんはご自身でもマンガを書いたり文章を書いたりなさっているそう。まったり屋での日々をまとめた本も出版されています。
店主の中野さんはご自身でもマンガを書いたり文章を書いたりなさっているそう。まったり屋での日々をまとめた本も出版されています。

 

 

今回ご紹介したカフェはいかがでしたでしょうか? どのお店も世の中の動きに右往左往せず、しっかりとそのお店のあり方を育てているという印象がありました。家や職場の往復だけでは味気ないなぁ、と思っているなら、独自のスタイルを守り続けているような「自分だけのお気に入りのカフェ」を探しにいってみませんか。

 

著者プロフィール

Yokohama Creative Map(友川綾子+介川貴晶)

アーティストやクリエイターの視点で、横浜創造界隈の様々なスポットをマッピングして紹介するウェブサイト。カフェは「使う」拠点として紹介されています。寿町を拠点として活動する寿オルタナティブ・ネットワークにより運営されています。

掲載スポット詳細情報

キャラバンコーヒー元町店
   
住所 神奈川県横浜市中区元町4-177
アクセス JR石川町駅より徒歩5分、元町中華街駅より徒歩5分
営業時間 9:00〜20:00(月曜日のみ18:40L.O.)
定休日 無休
電話番号 045-662-2228
Webサイト http://www.caravan-coffee.jp/
   
純喫茶モデル
   
住所 神奈川県横浜市中区吉浜町1-7
アクセス JR石川町駅より徒歩1分
営業時間 9:00〜17:00
定休日 不定休
電話番号 045-681-3636
   
まったり屋
   
住所 神奈川県横浜市中区伊勢佐木町5-130
アクセス 地下鉄阪東橋駅より徒歩5分
営業時間 13:00〜22:00
定休日 火曜日
Webサイト http://www.age.cc/~neopapa/mattari/index.html
   

 

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